みなさんは今までに本を読まないで読書感想文を書いた経験はありますか?読書感想文を書くのって結構面倒ですよね。読みたくない本を最後まで読まされ…。ラノベで許してくれたらいいんですがね(笑)
しかし、そんな苦労をしなくても、ChatGPTに全部任せることで、宿題ができると思いませんか?そこで、本を読まずにChatGPTを使用して読書感想文を書く方法について詳しく説明します。
注意:私は、学術研究の一環としてこの実験を行いました。これにより作成した文書を学校に提出して学校側に指摘されたとしても、当方は一切の責任を負いません。くれぐれも自己責任で上手くやってください。普通はバレませんけどね。
今回は、「星の王子さま」の読書感想文を書きたいと思います。
本の内容を調べる
読書感想文を書くにあたって、まずはChatGPTに本の内容を聞いてみましょう。本の内容がわからなければ、どうやって書けば良いかが分かりません。しかし、ChatGPTは、多くの本を「学習」しているため、アマゾンの概要欄とは異なり、ネタバレありの概要を教えてくれます。
星の王子さまに関する読書感想文を書きたい。 本の概要について教えて。
読む時間がないので、ネタバレありでお願い。
・読書感想文の書き手は中学生
『星の王子さま』はアントワネ・ド・サン=テグジュペリによって書かれた美しい物語です。ここには、成人と子どもの視点を交互に織り交ぜながら、大人が忘れがちな真実や純粋さについての洞察が散りばめられています。この物語の核心部分は、さまざまな惑星を旅する若い王子の冒険を通じて展開されます。彼が出会う各惑星の住人は、大人の世界のある種の風刺として描かれています。
星の王子さま自身の惑星では、彼は非常に美しいがやや我がままな一輪の花と一緒に暮らしています。しかし彼はその花に惹かれ、花を守るためにあらゆることをする準備ができています。この花との関係が深まるにつれて、王子は愛と献身、そして人間関係の複雑さについて学んでいきます。
物語は、砂漠で飛行機の故障により不時着したパイロットと星の王子さまの出会いから始まります。二人はすぐに友達になり、星の王子さまは自分の旅行と生活について語ります。この出会いを通じて、パイロット(つまり、読者)は人間の本質、真の価値、そして人間関係の深遠さについての洞察を得ます。
本書は、愛、友情、責任感などについての多くの深い教えを提供しています。特に印象的なのは、”人は心でしか真実を見ない。本当に大切なことは、目に見えない。”という言葉です。これは、真の価値は物質的なものや外観ではなく、内面や感情にあるという深いメッセージを伝えています。
星の王子さまが最終的に地球に落ち、蛇に噛まれて星に戻るシーンはとても悲しいですが、その悲しみは人生や愛の一部であるというメッセージを伝えています。星の王子さまの死は、彼が花と再会し、本当に愛するものと一緒にいることの重要性を示しています。
Chat GPTに質問するときは、まずはじめに何をしたいのかをはっきりと伝え、その上で詳細な条件を伝えましょう。また、ネタバレを欲しい、のように言えば、学校の先生と違ってしっかりと教えてくれます。事情はかなり加味してくれるので、特に嘘をつく必要はありません。嘘をつくのは読書感想文を「AIを使わずに自分でやりました!」と主張するときだけで十分です。
ただし、ChatGPTにはハルシネーションという、嘘をつく特性があるので気を付けましょう。何か怪しいところがあれば、ネットで検索して真偽を確かめることをお勧めします。
ハルシネーションについてはこちら→ハルシネーションとは何か?|ChatGPTはなぜ架空の事実を自信満々に語るのか? (注:これは技術的な記事であるため、少し難しいかもしれません。)
最も重要な、「本当に大切なことは、目に見えない」という部分がしっかりと記述されていますね。このストーリーは結構奥が深く、色々な面から感想を書けそうなので良いと思います。
しかし、この文章を見ただけでは、どのように感想文を書けばいいかが分かりません。そこで、もう少し感想文を書きやすい説明を貰うことにします。
自らの経験に基づき感想を書きたい。どこか書きやすそうな部分はある?
例を提示した上で説明して。
『星の王子さま』は多くの普遍的なテーマを扱っているので、あなた自身の経験とリンクさせる部分は多数あります。具体的な例を挙げてみましょう。
- 友情:この物語の中心にあるのは、星の王子さまとパイロットの友情です。あなた自身の人生で友情の価値を学んだ経験があれば、その経験をこのテーマにリンクさせて感想を書くことができます。たとえば、友人との思い出や、友人を失ったときの感情、友情があなた自身の成長にどのように寄与したかなど、具体的なエピソードを共有すると良いでしょう。
- 大人になること:星の王子さまが訪れた惑星の住人たちは、大人の世界の象徴として描かれています。成長して大人になること、そしてその中で忘れがちな子どもの視点や純粋さについて述べることができます。例えば、あなたが大人になる過程で経験した困難、や大人の世界の理解に苦労したエピソード、または大人になることで得られた視点などを共有すると良いでしょう。
- 愛と献身:星の王子さまは、彼の花への愛と献身を通じて、愛の難しさと美しさを学びます。あなたが人を愛すること、または愛されることを通じて学んだ経験を述べることも可能です。例えば、あなたが誰かに対して深い愛情を感じ、その人のために何かを犠牲にした瞬間や、愛の力を体験したエピソードなどを描くと良いでしょう。
これらのテーマについて自身の経験を組み入れて考えることで、読書感想文はより深みと個性を持つことができます。ただし、物語と自分自身の経験とをうまく結びつけるためには、自身の体験を詳しく説明し、それが物語のどの部分と関連しているのかを明確にすることが重要です。
ここで教えてもらったことを前提に、書く内容について作りこんでいきます。
本の内容と自分の経験を照らし合わせる
本の内容を知ったら、それに合うように感想を作ります。このとき、自分の意見を必ず入れるようにしましょう。先生も馬鹿ではないので、ChatGPTに適当に作らせたらすぐに分かります。そのため、少し「工作」をすることで、バレにくい文章を作ります。
ChatGPTはAIとはいえ所詮は機械なので、みなさんの気持ちまではわかりません。そのため、Chat GPTに作らせたものは、ありきたりな文章になってしまいます。これを防ぐために、みなさんの気持ちを前提にChatGPTに作らせる、という方針にします。
「気持ち」を文書化するにあたり、先ほどの3つの例を参照します。①友情、②大人になること、③愛と献身の3つを参考に、自身の経験にあるものを書き出してみます。
例えば、「友情」であれば、友達と一緒にスポーツをしたことや、一緒にどこかに遊びに行ったことなどが挙げられます。ここで、失敗を入れるとより文章に説得力が増します。人は成功それ自体よりも、下から這い上がって成功することや、失敗を乗り越えることに価値を置きます。つまり、失敗を乗り越えたことや、失敗に対する反省などを加えると非常に良い文章ができます。しかし、Chat GPTはみなさんがしっかりと指示しない限り、そういったストーリーを作ってくれません。そのため、私はみなさんに、その両方の情報を提供することをお勧めします。
同様に、「大人になること」であれば、中学生という「子供と大人の中間」のような場所であることから、大人の理不尽さが見えてくる頃でしょう。大人は夜中に飲みに行ってもいいのに、みなさんはダメ、などと言われたり、大人はスマホを一日中見ているのに、みなさんにはスマホの時間制限をしたりするでしょう。他の内容としては、高校に入る前に受験があり、初めて勉強により「格差」が発生するということでも大丈夫です。将来何になるか、なんて言われても分からないですよね。そのような、感じたことをまずはメモをとってみてください。3行あれば十分です。
※心配しなくても大学生になれば夜に外出しても誰にも文句言われないので大丈夫ですよ。6年なんてあっという間です。
え、愛や献身ですか?書いてもいいと思いますよ。ただ、家族愛を書くのは気恥ずかしいし、恋愛について書いたら学校から呼び出されるなど、めんどくさいのでやめたほうがいいと思いますが。
Chat GPTに書いてもらう
自分のことに関する情報のメモはとりましたか?そのメモを下の例にある「情報」の下にコピペしてみてください。書き手など、必要そうな情報は記載することをお勧めします。関係ありそうなことはなんとなくでも書いておくと、結果がよりみなさんの考えに沿ったものになります。下の例は、中学生の悩みの上位を情報として入れてみました。
星の王子さまの読書感想文を書かないといけません。 かわりに書いて。
・文字数 1000字
・書き手 14歳男性
情報
・勉強で結果が出ない。 受験が不安。
・ 将来何になるかなんて決めていないけど、親や先生は将来のことを考えるようにいつもグチグチ言ってくる
タイトル: 星の王子さま:想像力と人生の探求
『星の王子さま』という本を読む前は、単なる子供向けの本であると思っていました。しかしながら、この本の中には、大人になることの意味、友情、愛、そして人生そのものについて深く考えさせられるメッセージが詰まっていました。
本の中で星の王子さまが体験した旅は、私自身が今直面している「不安」や「迷い」と重なる部分が多かったです。王子さまが自身の星を離れ、見知らぬ他の星々を旅するように、私もこれから自分の「安全な場所」である中学校を卒業し、新しい世界、すなわち高校生活を迎えることになります。その中でどんな出会いがあるのか、どんな困難が待ち受けているのか、その全てが不確かな「未知の星」のように感じています。
また、この本を読むことで、大人が思い描く「成功」が全てではないということを理解しました。私たちは常に結果を出すこと、試験に合格することを強いられます。しかし、星の王子さまが出会った大人たちは、自分の視野を狭め、自分たちの星だけに固執し、他の美しい可能性を見落としていました。それは試験に追われ、結果だけを求める私たちの現状と似ているように思えました。
本書から学んだ大切な教訓は、「本当に大切なものは、目に見えない」ということです。学校の成績や試験の結果は確かに大切ですが、それだけが全てではありません。友情や家族の愛、自分自身の感じた経験や感情こそが、人生を豊かにする本当に価値のあるものなのです。これからの人生でどんな道を選ぶにせよ、視野を広く持ち、心に余裕をもって新たな経験を積み重ねていきたいと思います。
『星の王子さま』は私にとって、大切なことを見つめ直す機会を与えてくれました。また、私たちが大人になる過程で感じる不安や迷いを共有し、理解する手助けをしてくれたことに感謝しています。これからの人生の旅路では、星の王子さまのように、心の眼で本当に大切なものを見つけることができるようになりたいと思います。これからどんな星が私を待っているのか、それが何であれ、私は自分自身の「星の王子さま」であることを忘れず、冒険を楽しむつもりです。
タイトルはセンスがないですが、それ以外は大丈夫そうですね。
タイトルのアイデアを出すための方法はこちら→創造力を解き放つ!ChatGPTを使ったアイデア生成の方法
少し「自分の情報」の量が少なかったようで、一般的なことが結構混ざってしまっていますね。この場合、手作業で修正するか、もう一度プロンプト(ChatGPTに指示した文章)を見直してみてください。
もう一つ例を出しますね。
星の王子さまの読書感想文を書かないといけません。 かわりに書いて。
・文字数 1000字以下
・書き手 13歳女性
情報
・毎日夜中までSNSを3時間くらい見てる。いわゆるSNS疲れ
・親は相変わらず子ども扱いしてくる
・友達との関係が上手くいかない
タイトル:星の王子さまと私の人生:共感と反省の一冊
アントワネ・ド・サン=テグジュペリの「星の王子さま」は私にとって、ただの童話以上の何かを教えてくれる一冊でした。主人公の星の王子さまと彼の旅を通じて、生活の深い意味や友情、孤独、愛情について学びました。そして、それは私が現在直面している問題について、新たな視点を提供してくれました。
毎日、夜遅くまでSNSを見て過ごす私は、小さな王子が各惑星を訪れて、そこに住む大人たちの奇妙な行動に困惑する様子に、自分自身を見つけました。彼らは自己中心的で、価値観が狭く、見えない本当の価値を理解できていない。SNSの世界でも、私はしばしば同じような人々を見かけます。彼らはいつも自分だけの世界に閉じこもって、他の人々や世界の他の側面を理解しようとしない。これは私にとって大いに困惑することで、これらの行動はしばしば私をSNS疲れに導きます。
星の王子さまは、彼が訪れるすべての惑星で独りぼっちの大人たちを見つけます。しかし、彼は結局、砂漠で出会った狐との友情を通じて、最も重要なものは目に見えないと学びます。「心で見なければならない。本当に重要なものは目に見えない。」この狐の言葉は、SNS上の人々が見落としている重要な真実を象徴しています。すなわち、我々が本当に大切にすべきは、人間の関係や愛情、理解など、目に見えないものであるということです。
私自身も、この真実を見落としていました。友人たちとの関係がうまくいかず、孤立していると感じることがあります。しかし、狐の言葉は私に気づかせてくれました。目に見える表面的なものよりも、友情の本質的な部分を大切にすべきだと。そして、相手を理解し、受け入れ、真の意味での関係を築くためには、時間と努力が必要であることを。
一方、この物語は親に対する私のフラストレーションにも答えてくれました。私が成長しても、彼らは私をいつまでも子供のように扱います。だから、私は時々彼らを理解できないし、彼らも私を理解できない。しかし、「星の王子さま」は私に思い出させてくれました。大人たちも一度は子供だったのだと。そして、大人が子供の視点を失い、物事を単純化する傾向があるということを。理解しようと努力することで、彼らの行動がより理解できるようになるかもしれません。
「星の王子さま」は私に、世界と私自身を深く見つめ直す機会を与えました。人間関係や自分自身に対する理解を深めるための道筋を示してくれました。そして何よりも、私たちが目で見ることができないものこそが、最も価値のあるものであるという教えを、心に深く刻み込んでくれました。
2段落目は読みづらいので、少し訂正する必要があるでしょう。また、ChatGPTの特徴として、変な外来語が出てくることがあります。「フラストレーション」はストレスの原因という意味ですが、「苛立ち」くらいで良さそうですし、それぞれの文章が短いため、もう少し繋げて書いても良さそうです。しかし、そういったことを直すのはまだ難しいので、手作業で頑張ってください。(5分くらいで終わるので、そのような方法をお勧めします。完全にミスをなくそうとすると、プロンプトが長くなりますし、現状、多少のミスは仕方がないと割り切る必要がありそうです。)
後は、接続詞が多いことが、AIとバレる原因となるので、半分くらいになるようにしたら良いと思います。また、「彼」や「彼女」といった代名詞は、英語独特なものなので、基本的には固有名詞に変えましょう。あと、若干倒置が変なのが気になりますね。
こんなもんでしょうか?それでも10分あれば完成するので、楽になったと思います。私が中学生の頃は3時間以上かけていましたので、随分楽になったと思います。
まとめ
この実験を通じて、ChatGPTが本を読まずに感想文を書くための強力なツールであることを発見しました。しかし、これはただのサボりやチートではなく、AIがどのように人間の知識を模倣し、独自の洞察を提供することができるか、についての学術研究であり、あくまでみなさんにAIのすばらしさを知ってもらうために行ったものです。本を読まずに感想文を書く方法は、あくまで一つの実験に過ぎませんが、この技術がどこかで役に立つことを願っています。
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